らくらくマウスの製作
−テクニカル・サポート−



らくらくマウスの写真

たな会長の提案と、どりーみんさんの設計

 1995年春でしたっけ、 たな会長が「足で簡単に操作できるマウスはないかな?」ということで、どりーみんさんがファミコンのスイッチパッドを改造してPC−98用のスイッチマウスを作りました。4方向のスイッチを押すことによりマウスカーソルが移動します。「おっ、なかなかいいねぇ。これはいろいろと使い道あるんじゃないの」「使いたい人がいたらサポートしよう」などと話していました。

手作りでのサポート

 1995年3月にたな会長の所属するONE・STEP企画のメンバーから製作の依頼が入りました。4月からの養護学校向けのソフト開発に使いたいとのこと。回路基板の製作はどりーみんさん、スイッチとケースの製作は桜いちということで対応しました。それからもボチボチと製作依頼があり、手作りで作っていました。

専用基板の製作と頒布方法の模索

 スイッチマウスの回路はけっこう複雑で、手作りには時間がかかります。ということで、専用基板の製作を計画しました。基板の設計にはお金がかかりますが、某大手電線メーカーさんから研究開発費名目で協力をいただけることになりました。試作基板ができあがったのが1995年10月。ちょうど新宿での朝日新聞社通信講習会の頃でした。次の問題は頒布のための組織でした。

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ONE・STEP企画

 社会福祉法人東京コロニーの中にあるトーコロ情報処理センターは、1989年度より東京都からの補助事業として、『重度身体障害者在宅パソコン講習事業』を行なっています。その講習で身につけたコンピュータの技術などを、終了後もお互いに協力して活かしていくことを目的とした修了生たちのグループが、「ONE・STEP企画」です。ソフトウェアの開発やデータ加工、入力作業等の仕事の請負。地域のBBS活動、地域の作業所or組織活動等のボランティア活動。パソコン通信、年賀状、ワープロ等の講習会の開催等々で活躍しています。メンバーは20人前後です。
 たまたま「ネットワーク杉並ここと」の会長が「ONE・STEP企画」のグループの一員でしたので、スイッチマウスの頒布の業務の相談をしてみました。

パソコン通信を使った打ち合せ・・・「らくらくマウス」の誕生

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 実際に頒布活動を軌道に乗せるにはいろいろな打ち合せが必要です。営業やPRはどうしようか。頒布価格はいくらにしようか。在庫しての頒布か受注生産か。製品の名称は・・・等々。お互いに本業や障碍を持っていてなかなか集まって打ち合せをすることが困難です。そこでパソコン通信を使って打ち合せを進めることにしました。
 東京コロニーは「トーコロBBS」というパソコン通信ネットワークを運営しています。その一隅をお借りして製作グループと頒布グループとの打ち合せが始まりました。1995年暮れから1996年春にかけて頒布形態、価格、パンフレット、取り扱い説明書と具体的な形ができ、回路基板など部品の頒布だけでなく、完成品の頒布もすることになりました。旅人木さんのデザインでケースとスイッチの配置が決まり、製品名称も「らくらくマウス」という愛称がつけられました。これらの仕事の大半はONE・STEP企画のンバーにより達成されました。障碍を持ちながらもこのパワーと行動力には敬服しました。 実際の頒布は1996年の春から始まりました。インターネットをはじめ、いろいろなパソコン通信ネットワークでの紹介、各種団体・作業所等へのPR、福祉のイベントでの製品の展示・・・・・。確かな手応えがあり、1996年の暮れまでに完成品30台の納入となりました。

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データショウへの出展・・・DOS/V機への対応

 ビッグニュースが飛び込みました。「1996年DATA SHOW」への展示ブースが最終日の1日だけですが(社)日本電子工業振興協会から提供されることになりました。アクセシビリティ・コーナーに大手メーカーと肩を並べての出展です。ま、ブースの大きさはそれなりということですが・・・。頒布グループと製作グループは1996年10月17日(水)、ウォーターフロント・ビッグサイトの会場へ展示用「らくらくマウス」やパソコン、たくさんのパンフレットを抱えて乗り込みました。
 「ONE・STEP企画・ネットワーク杉並ここと」の看板も立派に準備されていました。お客さんはひきもきらずで、近くの大手メーカーの担当者も興味を示され、同じ障碍者用機器のテーマでの情報交換の場にもなりました。
 しかしそこでは「DOS/Vでは使えないのですか?」の質問の嵐。「NECのPC98シリーズ専用なんです」と答えるのが申し訳ないような状況でした。世の中は確実に世界標準のDOS/Vパソコンに傾いています。みんなに「なんとかDOS/Vパソコンにも対応せねば」との気持ちが強くなりました。

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またまた、パソコン通信の威力

 DOS/V用のらくらくマウスの開発にはどうしてもマイクロコンピュータを使った高度なプログラミング技術が必要になります。雑誌などを参考にして挑戦してはみましたがとても歯がたちません。あれこれやっている時に、たまたま「ネットワーク杉並ここと」の会員の佐々木さんがプロのプログラマーで「興味もあるのでやってみましょう」ということになりました。お会いしての打ち合せは1回だけで、あとはネットでのメールのやりとりで1か月もしないうちに試作機ができあがりました。細かい仕様の変更もプログラム自体を電子メールで送ってもらい、こちらで書き換えることも可能です。
 このようにお互いに活動できる日や時間が違っても、また距離が離れていても、パソコン通信をうまく使えば共同作業も可能になります。多くのパソコン通信ネットワークで、通信を使ったボランティア活動が盛んに行なわれています。相互理解と個々の情報の交換に、パソコン通信は大きな可能性を持っていると思います。

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DOS/V機のデビュー

 DOS/V機といってもいろいろなメーカーと機種があります。おまけにPS/2というマウスの規格は公開されていません。佐々木さんは1台1台マウスとパソコンの信号を調べてプログラムを仕上げていきました。たいへんな作業です。本業は大丈夫だったのでしょうか・・・。
 1996年の暮れから始まった開発でしたが半年間の佐々木さんの奮闘で5月には20機種以上のDOS/V機での動作を確認しました。機能も従来の「らくらくマウス」に加え、ドラッグのランプ表示、ボタンによる自動加速も含む6段階のスピード調整、ダブルクリック一発ボタンと強化されました。
 専用基板も佐々木さんのルートで格安にできました。この基板はDOS/V機だけでなく、PC-98にも対応しているというすぐれものです。ONE・STEP企画との打ち合せで製品名称も「らくらくマウスII」と決まり、7月のデビューとなりました。7月・8月ですでに10台ほどの納入実績です。

アイデア募集中

 現在らくらくマウスの製作は旅人木さんと桜いちで担当していますが、ONE・STEP企画ではインターネットのホームページなど活発なPR活動をしています。製作スタッフとしてはどりーみんさん、ごん太さんと強力なメンバーが控えています。らくらくマウスの頒布で、製作の手間賃は出せませんが、いろいろな開発費が賄えています。
 「こんなのがあるといいな」といったアイディアをお寄せ下さい。時間はかかりますが、ゆっくりと確実に対応していきたいと考えています。みんなテクニカルサポートの一員です。これからもどうぞよろしく。

Sender : kkt0011 (桜いち)
Stamp : 97/08/24 22:41:58
Size : 6559 Bytes
Title : 遅くなりました。活動報告です(^^;


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